CASE 事例紹介

先の見えないコロナ禍をきっかけにテレワーク導入を決断

K社さま

業種

物流・運送業

従業員数

50~100名

  • テレワーク導入支援サービス
  • ペーパーレス
  • セキュリティ
  • ネットワーク

Before

  • コロナ禍でテレワークの必要に迫られたが、何から手を付けて良いか分からなかった
  • 社外から社内のサーバーにアクセスすることにセキュリティの不安があった
  • 社内の多くの申請業務は紙ベースで行われていた

After

  • 「テレワーク導入支援サービス」により現況把握から導入までを一気通貫でサポートした
  • ネットワークのセキュリティ対策を入念に講じ不安が解消された
  • ワークフローの導入で紙問題を解決!スモールスタートで運用を実現した

背景
2020年春、K社さまではコロナ禍で登校できなくなったお子さんを持つ社員のために、在宅勤務ができる環境を早急に整える必要がありました。将来は完全テレワークも必要と考えられていましたが、顧客データを保管している社内のファイルサーバーに社外からアクセスさせることには漠然とした不安がありました。また、社内の申請業務や請求業務は紙でのやり取りが多く、印字して押印するという文化が深く根付いているため、何から手を付けて良いのか、ほとんど検討できていない状態でした。

方針
テレワーク導入支援サービスのコーディネーターが、状況をヒアリングさせていただきました。急を要しているとは言え、社内業務を大胆に変えることは社員の混乱を招いてしまいます。まずは、社内で行っていた業務をご自宅からでも同じように遂行できることを第一の目標とし、1週間という短期間で実現する提案をさせていただきました。

具体策

・テレワークに必要な最低限のツールを導入すること
・社外から安全に社内のファイルサーバーにアクセスできること
・申請業務のワークフローを簡易ツールで作成し運用すること

将来は本格的なテレワーク環境に拡張するご意向のため、ご利用中のチャットツール(月額400円/ユーザ)は契約を終了し、
Microsoft 365(グループウェア)を導入しました。ライセンスは一部の管理者を除いて、安価なBusiness Basic (月額540円/ユーザ)を割り当てました。これだけでもWord、ExcelなどOfficeアプリケーションの最新版が利用できる上、リモート作業のベースとなるメール送受信、チャット、Web会議、ファイル共有など幅広い機能が利用できるため、本格的なテレワーク推進の基盤となります。

社外から社内サーバーへのアクセスには、シンクライアント(※1)端末によるインターネットVPN(※2)のみを許可することで、セキュリティ不安を取り除きました。端末は新規調達することなく、すでにある社内や自宅のパソコンにUSBメモリを差し込むだけでシンクライアント化しています。これにより、社内のファイルサーバーに直接アクセスが可能となるほか、社内にあるPCを遠隔操作(リモートデスクトップ)することができるようになりました。
(※1)サーバーに機能の大半をもたせ、クライアントは最小限の機能で構成する技術。データの一元管理やセキュリティ用途で使用する。
(※2)コストのかかる専用線(VPN)ではなく、インターネット網を利用して暗号化された専用の仮想通信経路を形成する方法。

大きなテレワーク阻害要因となっていた紙問題(申請、承認業務)については、暫定処置としてMicrosoft SharePointのワークフローをカスタマイズして利用することにしました。SharePointはフローの変更などを運用の変化に応じて変更できる柔軟性を持ちます。上記Business BasicライセンスでもWebやスマホを通して利用できるため、新たにアプリケーションやサーバーを用意する必要がありません。やや癖があると言われる画面やフローの作成作業は当社で担当し、引継ぎをさせていただきました。

システム構成

上記構成は、弊社の Smart Teleworker というサービスで、社外のシンクライアント化したPC端末からインターネットVPNで社内に接続し、ファイルサーバーへのアクセスやPCのリモート操作を許可するものです。社内のPCはリモート管理サーバーにより電源がOFFの状態でもON、電源がONの状態でもOFFにすることが可能です。また、監視ツール Key Loggerを導入することで、ログイン、ログアウト時刻の管理やキーボードタッチによる社員の在籍確認を行っております。監視状況は下のようなWebの管理画面で確認することができます。

今回のテレワーク導入は、社内の運用を極力変えずに最小限かつ短期間で実現したいというご要望にお応えしたものです。現在まで週1-2回の出社が必要となることはあるものの、問題なく以前のような通常業務を遂行していただいております。

K社さまでは、今後ファイルサーバーや紙媒体で保有している大切なデータをMicrosoft SharePointに移行することで、Microsoft 365を駆使した業務への転換を計画されており、当社で引き続きサポートをさせていただいております。テレワークと一言で言っても、仮想デスクトップ(VDI)を用いる方法、DaaSと呼ばれるクラウドサービスを利用する方法など様々あり、セキュリティ面、運用・管理面、費用面などでそれぞれメリット・デメリットが異なります。当社ではお客様のご要望に沿ったご提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。