CASE 事例紹介

レガシーシステムのクラウド移行で長期運用が可能に

L社さま

業種

小売業

従業員数

200~250名

  • クラウドアプリ開発・運用サービス
  • コストカット
  • リノベーション
  • マイグレーション
  • AWS

Before

  • 古いシステムのメンテナンスが難しくユーザビリティも悪かった
  • システムにサポート期限切れとなるミドルウェアがあるため脆弱性に不安があった
  • 運用保守にかかる毎月の時間や人件費がかさんでいた

After

  • システムを刷新し流行りの画面に変更したことで長期継続利用が可能になった
  • 最新のミドルウェアに更新することでセキュリティ不安が解消した
  • 運用保守をアウトソースすることでコストカットできた

背景
L社さまは、自ブランドのECサイトを運営しておられましたが、初期構築からは既に10年が経過しており、ハードウェアの老朽化によるサーバーのメンテナンスに手間を取られていました。また、ECサイトの操作画面もひと昔前の雰囲気が拭えないため、流行りのデザインに変更したい意向をお持ちでしたが、古いソフトウェア技術が足かせとなり、サイトのリニューアルは進んでいませんでした。 システムで利用しているミドルウェアがサポート期限切れを控えていることもあり、この機会に新システムを構築できないかと「クラウドアプリ開発・運用サービス」にご相談いただきました。

方針
クラウドアプリ開発・運用サービスのコーディネーターが、状況をヒアリングさせていただきました。費用と工期のかかる新システムをゼロベースで構築するのではなく、低予算かつ短い納期で、古いシステムを長期利用に耐えられるようにリノベーションする提案をさせていただきました。

具体策

・保守性を高めるため社内サーバーは全てクラウドに移行する
・Web画面を新しい技術に差し替え、ビジュアルが魅力的なデザインに作り替える
・ミドルウェアを最新のものに更新しセキュリティのリスクを回避する
・運用保守はクラウド導入を実施するミクロスソフトウエアが引継ぐ

システムはWebサーバー、データベース、ファイルサーバーから構成されており、これらは全て信頼性、安全性に定評のあるAWSクラウド上に移行しました。データやファイルの移行も入念な検証作業とリハーサルの後に、夜間のメンテナンス時間に実行しており、一日もサービスを止めることなくサービスインできました。

デザインは、画面を構成している旧技術を捨て、大幅な改修を入れてリニューアルしています。UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)を見直し、ユーザーの購買意欲を搔き立て、ボタンのクリックやコンバージョンに導くよう工夫を凝らしています。スマートフォンなど複数端末にも対応できるレスポンシブデザインとし、直感的で視認性の高い魅力的なデザインに生まれ変わっています。複雑なアプリケーションのロジックは極力変更せず画面の改修に注力することで、新規にシステムを構築するよりも大幅に開発コストの削減を図ることができました。

やや技術寄りの話になりますが、ミドルウェアにはJavaのデファクトスタンダードとも言えるようになったSpring Frameworkを導入することで、セキュリティに堅牢なアプリケーションにモダナイズしています。大規模なソースコード変換が発生しますが、大半はツールによる自動化で対応することで、開発コストを削減できました。

システム構成

上記構成は図面上は簡略化しておりますが、実際はAWSの推奨するWell-Architected フレームワークを採用しており、優れたセキュリティ、システムの2重化による信頼性、オペレーションの効率化を実現し、コストの最適化を図っております。

L社さまの対応は、レガシーなシステムを部分的に新しい技術を導入することで、できるだけ長く継続させる、いわゆる "システムリノベーション" と呼ばれるものです。導入後はシステムの異常監視を始めとする運用保守作業やアプリケーション改修もミクロスソフトウエアが担当させていただいております。今後はシステムをAIと連携させ、ユーザーさまの嗜好に合う商品をレコメンドするサービスを検討されています。