CASE 事例紹介
番組制作現場での機材利用状況の見える化(RFID持ち出し監視)
X社さま
業種
コンテンツ制作・配信業
従業員数
50~100名
Before
- 取材先に持ち出しする機材の管理が煩雑だった
- 機材の所在が分からないことがあり、月1回の棚卸が大変だった
- 市販の在庫管理システムは多機能でコストが合わなかった
After
- いつ・誰が・何を持ち出したのかが見える化された
- 不正持ち出しを防止し、棚卸作業も簡単な操作で一括管理できるようになった
- 必要な機能だけにカスタマイズした安価なシステムを導入できた
背景
X社様はテレビ番組やWeb動画コンテンツの製作会社です。
日々の取材で持ち出されるカメラ、ICレコーダー、予備バッテリーなどの機材は自社の物品棚で保管し、紙の管理台帳を元に持ち出し管理を行っていました。
紙ベースでの管理でしたので、使いたい機材が「いま社内にあるのか?」を知るために、わざわざ物品棚に出向いて台帳を確認する必要がありました。また、利用した機材はそれぞれが期日までに元の場所に戻すルールで運用していましたが、持ち出し・返却の承認プロセスもなく、台帳への記入も作業者任せの運用であったため、月末の機材の棚卸し時には在庫数が合わないケースもあり、実状を把握するのに大変な手間が掛かっていました。
方針
機材管理の自動化、見える化をRFIDを用いたソリューションによりシンプルに安く実現する。
具体策
・RFIDを利用することで、不正持ち出し防止と棚卸作業を簡便化を行う
・上記をスマートフォン、ハンディ端末からの操作で実現する
まずは紙の管理台帳を廃止し、デジタル化することで「いつ・誰が・何を」持ち出したのかを見える化しました。ユーザーや管理者はWeb画面やスマホアプリより機材の持ち出し状況をいつでも確認し予約ができるようになりました。
今まで手書きしていた内容を、Web画面でそのまま手入力するのでは手間は解消されません。そこでRFIDを活用しました。RFIDとは、電波を用いてRFタグにあるデータを無線で読み書きするシステムです。1枚ずつスキャンしなければならないQRやバーコードとは異なり、電波が届く範囲でのデータの一括読み取りが可能です。非接触で使える点からもコロナ禍において再び注目されている技術です。
管理の対象となる機材にシールタイプのRFIDを貼付しシステムに登録することで、機材とRFIDの紐づけが可能となります。これにより以下を実現しました:
・ユーザーは自身のスマホをRFIDハンディ端末に接続し、必要な機材のRFタグを読み取るだけで持ち出し・返却ができるようになった。
・物品棚の居室から機材を不正に持ち出しした場合、センサーが反応しアラームでの検知が行えるようになった。
・管理者は棚卸の際にハンディ端末の操作だけで瞬時に在庫確認が行えるようになった。
システム構成
本システムは、当社が運営するAWS上の在庫管理システムサービスをベースに必要な機能のみをカスタマイズして製作したため、開発コストを大きく抑えることができました。クラウド上にWebシステムを構築したため、サーバ機など設備投資はなく初期費用もRFID読み取り用のハンディ端末とRFID(シール)に抑えられています。
X社さまの対応では、持ち出し、返却が一元管理できるようになったのはもちろんのこと、RFIDを用いることで月末に目視で数時間かけて行っていた棚卸作業が数分で終わるようになったため、大変重宝していただいております。今後は持ち出し・返却のプロセスに申請/承認の仕組みを導入されることを検討されています。