CASE 事例紹介
社内システムをまとめてクラウドに移行しコストカット30%に成功
M社さま
業種
製造業
従業員数
50~100名
Before
- Microsoft Officeのライセンス費用やバージョン管理が負担になっていた
- セキュリティ規約で機密情報の外部保存が禁止されておりクラウド導入は考えていなかった
- 社内にある各種サーバーの運用保守にかかる毎月の時間や人件費がかさんでいた
After
- Microsoft 365導入により費用が削減され管理も楽になった
- ハイブリッド環境にすることで機密情報を社内に残しながらクラウドに移行できた
- 運用保守をアウトソースすることでコストカットできた
背景
M社さまでは、利用中のMicrosoft Officeに様々なバージョンが乱立しており、ライセンス管理だけでなく数年に一度発生するソフトの買い替えも負担となっておられました。新聞等で頻繁に聞くようになったDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進に必要性は感じていましたが、社内の情報セキュリティ規約では機密情報の社外ネットワークでの保管が禁止されており、クラウド導入は敷居の高い選択肢でした。
特に問題となっていたのが、IT担当者様の運用保守にかかる時間でした。担当者様は他業務と掛け持ちをされていましたが、社内外からの度重なるシステムの問い合わせやバックアップ、セキュリティプログラムの更新などの保守業務により、ほぼ専任体制となっていました。ハードウェアの老朽化も進んでおり、年に数回システムの再構築を行うこともあったほか、年末年始や夏休み、GWなどの休暇中に計画されるビル設備の停電時の対応にも都度頭を悩ませておられました。
方針
クラウド導入支援サービスのコーディネーターが、状況をヒアリングさせていただきました。将来の構想を鑑みた上で、まずはボトルネックとなっていた社内の運用保守業務を軽減し、本来の作業に集中していただくことによるコストカットを進言いたしました。その結果、セキュリティ規約の見直しに労力を費やすよりも、すぐに始められるクラウドを段階的に導入することになりました。
具体策
・社内セキュリティ規約に準じて社内サーバーをハイブリッドにクラウド移行する
・運用保守はミクロスソフトウエアが代行する
この機会にMicrosoft 365(グループウエア)を導入しました。Word、Excel、Access、PowerPointなどOfficeアプリケーションの最新版が利用できるだけでなく、Outlookでのメール送受信、Microsoft Teamsによるチャット、Web会議、ファイル共有など幅広い機能を有しているため今後のDX推進の基盤となります。
ライセンスはOfficeのヘビーユーザーにはBusiness Standard (月額1,360円 ユーザ/月)、ライトユーザーにはBusiness Basic (月額540円 ユーザ/月)を割り当てました。
(Business Standardとの差異はOfficeアプリケーションが使用できないことだけですが、Web版のWord、Excel、PowerPointは利用することができます。)
機密情報を含むデータベース、ファイルサーバーは社内においたまま、ホームページ、メール、申請システムなどの各サーバーはクラウド上に移行し、両サーバーを安全に接続する構成としました。また、従来はそれぞれのシステムの認証に必要だったユーザーアカウントを、シングルサインオン(※)という仕組みを取り入れることで入力の手間を省き、セキュリティの強化も行いました。この構成により情報セキュリティ規約を遵守しつつ安全で堅牢なシステムが構築できました。
※1つのIDとパスワードを入力して、複数のWebサービスやアプリケーションにログインする仕組み
システム構成
上記構成はクラウド移行としてはシンプルな構成ですが、移行前に比べてセキュリティ面、ネットワーク面で複雑になっており、特に障害発生時などは正しい知識がないと復旧が困難になります。そこで、運用保守作業もミクロスソフトウエアが担当させていただいております。システムの異常を監視する仕組みを導入することで、従来の運用コストを5分の1まで落とすことに成功しております。
M社さまの対応は、大事な情報は社内に留めたまま、その他の部分をAWSのパブリッククラウドに移行するという、いわゆるハイブリッド型でのクラウド導入でした。導入期間はコンサルテーションから運用開始まで約1か月。導入後3年間でのコスト削減は約30%を実現しており、大きな問題もなく運用していただいております。
同時期にMicrosoft 365を導入したため、後に起こるコロナ禍によるテレワーク運用もスムーズに進めることができたそうです。社内の情報セキュリティ規約も緩和され、次のフェーズでは本格的なクラウド移行(フルクラウド)を計画されております。当社ではM社さまの将来のDX実現に向けたデータ有効活用も視野に入れ、引き続きサポートさせていただきます。