CASE 事例紹介
クラウド環境で大規模オンプレミスシステムの概念検証(PoC)を実施
T社さま
業種
半導体商社
従業員数
500~1000名
Before
- オンプレミス環境なので検証自体が難しかった
- 机上での試算ではシステムに必要なサーバ台数やスペックを正確に把握する事が難しかった
- 高額なハードウエアが使用されずに余ってしまうことがあった
After
- クラウド環境を用いることで短期間で検証を行うことができた
- 実際に運用時のシステム状態を創造することでリソース量が把握できた
- 必要なハードウエアだけを前もって調達できた
背景
長年T社様が運用されている交通系システムは刷新のタイミングを迎えており、ソフトウエアの更新だけでなくサーバ機器やネットワークなどのハード機器もリプレイス(新規購入)する事が決まっていました。
T社様で必要なハード機器のお見積やサイジング(ピーク時のアクセス数などによるシステムの負荷予測)を実施されていましたが、近年ではデータが複雑化しデータ量も非常に増加しているため正確な予測ができず、設備投資に必要以上の(高価な)スペックを計画せざるを得ない状況でした。
方針
システムの実運用を安価で正確にシミュレートすることでコストを事前に算出する。
具体策
・クライアントを疑似的に生成し、ピーク時間帯のアクセスも忠実に再現する
・検証結果に基づいて最適なシステム構成や費用をご提案する
クラウドの利点の1つは、サーバを調達することなく使いたいときに使いたいだけ利用できることです。検証が終われば費用は掛かりませんので、短期間でハイスペックのサーバを構築することも可能となります。
机上の試算だけではなく、様々なオープンソースソフトウエア(OSS:無償利用可能なソフトウエア)を用いてシステムへの疑似アクセスを再現するツールを製作しました。これにより本番に近い状態での交通流のシミュレーションに成功し、本来必要となるハード機器選定とサイジングを行うことができました。結果としてT社様が想定されていた費用感よりも約20%削減となるシステム構成でご提案差し上げることができました。
設備の予算削減が実現できたことで、優先順位の下がっていたサービス機能の実装にもつなげていただきました。今回ご紹介したシステムの概念検証は、オンプレミス環境のシステム刷新に関してでしたが、将来的にはシステムのクラウド環境への移行を計画されているとのことです。
システム構成
当社ではOSSで大量データをシミュレートするPoCに多くの実績があります。
[例]
・並列分散処理ツール(Kafka, Spark, HBase, Ignite)
・負荷ツール(Gatling)
・分析可視化ツール(InfluxDB、Grafana)
今回は交通流のシミュレーションがテーマでしたが、他の仕組みにも応用が利きます。お気軽にお問い合わせください。